直近一年間の累計
アクセス数 : ?
ダウンロード数 : ?
ID 96181
タイトルヨミ
セイタイ ショクバイ オ カツヨウ スル セイリ カッセイ ブンシ ノ コウチク ニ カンスル ケンキュウ
著者
板東, 俊和 徳島大学薬学部植物環境資源学教室
資料タイプ
学位論文
抄録
2-アリール-1,3-プロパンジオール1は、σ対称面を持つプロキラル分
子である。従って、エナンチオトピックな関係にある二個の一級水酸
基を生体触媒、特にリパーゼを用いる酵素化学的アセチル化によって
識別することができれば、ベンジル位に不斉三級中心を有するキラル
モノアセテート2へと誘導することができる。この化合物は、種々の
生理活性分子のエナンチオ選択的構築に有効に機能する不斉合成素子
となり得る可能性を秘めており、この変換法の確立は合成化学的に価
値がある。
そこで、著者は、2-アリール-1.3-プロパンジオール1のリパーゼを触
媒とする不斉アセチル化反応によるキラルモノアセテート2の簡便な
キラル合成法の開発をめざした。さらに2の不斉合成素子としての有
用性を示す目的で非ステロイド性抗炎症剤S-イブプロフェンおよびS
-ナプロキセン、抗腫瘍性抗生物質インドールマイシン、腫瘍性カビ毒
成分として知られているアフラトキシンB2の不斉全合成をめざし研
究を行った。
酵素反応の基質となる2-アリール-1,3-ジオールの合成は、Heck反応
とそれに続くオゾン酸化.-還元行程を活用することによって効率的に
行うことができた。このようにして合成したプロキラルジオールをリ
バーゼを用いる不斉アセチル化反応に付すことにより、高い光学純度
でベンジル位に不斉三級中心を有するキラルモノアセテートへと変換
した。
これら四種のキラルモノアセテートより、イブプロフェン及びナプ
ロキセンの不斉全合成、さらにインドールマイシンと非天然型アフラ
トキシンB2の形式的不斉全合成を達成した。本研究において開発した
合成ルートは、複雑な構造を有する他の生理活性天然物のキラル合成
にも応用可能であると思われ、その展開が期待される。
発行日
1988
備考
画像データは国立国会図書館から提供(2011/9/26。JPEG2000形式を本学でpdfに変換して公開)
フルテキストファイル
言語
jpn
文科省報告番号
甲第956号
学位記番号
甲薬第43号
学位授与年月日
1998-03-26
学位名
博士(薬学)