ID 96882
Author
He, Chen Doctor course for System Engineering Graduate School, Engineering Tokushima University
Content Type
Thesis or Dissertation
Description
セルラーニューラルネットワーク(CNN)には連続時間的な
ものと,離散時間的なものがあり,本研究は主に後者について議論
する. CNNは1988年にカリフォルニア大学バークレ校のL.O.Chua
教授らによって提案され,現在,アメリカ,ヨーロッパを中心に盛
んに研究が進められている. CNNは従来のニューラルネットワー
クと異なり,近傍のセルとのみ結合しているため集積回路としての
実現が容易であり,画像処理用CNNとして注目されている.
第一章では,ニューラルネットワークに関する研究の動向,お
よび,人間の目と同様な処理機能を持つ連続時間CNNに関する研
究の動向と,この論文で議論している離散時間CNNの背景につい
て簡単に述べている. 
第二章では,離散時間的な非均一CNNとして,二相同期信号
の回路モデルを提案し,その安定性等について議論してある. この
モデルは各セルについて二相同期信号1個で実現できるため,VLS1
の実現が容易であると云う特徴がある. まず,モデルの動作原理か
ら状態電圧,出力電圧の動作領域を明かにした. このことは物理的
に実現可能なCNNを設計するために重要である.つぎに,安定性
を議論するためにエネルギ一関数からリアフノフ関数を定義し,そ
の関数の時間単調減少の条件を利用して,大域的な安定性を持つ離
散時間CNNの設計方法を明らかにした.
第三章では,非線形システムにおける平衡点の求解法について
議論している.連想記憶に用いられるCNNは多くの平衡点をもち,
入力信号によってどの平衡点に到達するかが決定せられる. ロバス
トな連想記憶用CNNを設計するためには,このような平衡点を調
べることが必要である. ここでは,解曲線追跡法に基づいた複数解
の求解アルゴリズムを提案している. このアルゴリズムは急激な解
曲線の変化を効率よく追跡できるように,エルミー卜予測子とBDF
積分公式に基づいている. また,大規模系に適用できるようにニュ
ートン・ラフソン法の代わりにブラウンの反復法を採用している.
このようなアルゴリズを採用することによりロバストなCNNの設
計が可能となる.
第四章では, 離散時間CNNによる連想記憶について述べてい
る. 連想記憶は人間の脳の基本的な機能であり,ニューラルネット
ワーク応用研究の一つとして古くから盛んに研究されている.本章
では, 離散的なCNNを用いた外積学習アルゴリズムと中点写像ア
ルゴリズムの2種類の記憶方式を提案し,その性質を解明している.
まず,前者は,入力パターンに対して,エネルギー関数の値が最少
になるようにニューロン間の接続を表す重み行列を設定しようと云
うものであり,これはHebbの理論に基づいている. また,上のよう
な手法で学習されたパターンを連想記憶できる条件について議論し
た.中点写像アルゴリズムは重み行列の設定方法に対して, いま考
えている中心セルからの近傍を定義し,近傍に存在するセルの状態、
をベクトル表示する.これを全てパターンについて実行し,このよ
うにして決定された行列によって写像されるセルのパターンが,元
の中心セルと同一のパターンを持つように重み行列を設定しようと
いうもので,数学的には一般化逆行列の理論に基づいている.この
ような学習方法の特徴は入力された画像が全て連想されると云うこ
とである. 本章では,さらに,このことを応用例によって実証した.
第五章では,画像処理への応用として,輪郭抽出,雑音除去,
視覚パターンの認識に対する離散的なCNNについて述べている.
多くの結果から処理時間は従来のものと比較して極端に短縮される
ことが分かった. また,不均一離散時間CNNによって,一つ画面
中に多数の異なる視覚パターンを同時に認識できることも分かった。
第六章では,不均一離散的なCNNの特徴と今後の問題点につ
いて述べている.
Published Date
1994-09
Remark
画像データは国立国会図書館から提供(2012/3。JPEG2000形式を本学でpdfに変換して公開)
FullText File
language
eng
MEXT report number
甲第718号
Diploma Number
甲工第26号
Granted Date
1994-09-09
Degree Name
Doctor of Engineering