ID 96885
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ネツヘンセイ ダッカイコツ キシツ ゼラチン ネツヘンセイ ダッカイシ オヨビ カキョウ コラーゲン ノ キンニクナイ イショクゴ ニ ミトメラレタ セッカイカ ノ ソシキガクテキ ヒカク
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Thesis or Dissertation
Description
脱灰骨基質ゼラチン(BMG)の筋肉内移植後に骨組織形成に先行してBMG内に生じる石灰化は、
石灰化部位にアルカリフォスファターゼ活性がみられないこと、および形成の際に骨形成細胞や
基質小胞が観察されないことから、Acellular Mineral Deposition(AMD)と呼ばれている。し
かし、AMDにはその形成機構を含め多くの不明な点が残されている。そこで本研究では、BMPを
含む非コラーゲン性蛋白とAMDとの関連を解明すべく、BMG内の非コラーゲン性蛋白を熱処理に
より失活させた熱変性BMGを筋肉内に移植し、石灰化物の形成過程を組織学的に観察した。さら
に、象牙質での石灰化や架橋コラーゲンとAMDとの関連を考察すべく、熱変性脱灰歯、およびグ
ルタールアルデヒドで人工的に架橋したコラーゲンをそれぞれ同様に移植し、移植後の石灰化物
の形成過程を組織学的に比較した。
熱変性BMGは、Uristらの方法で作られたBMGに150℃で30分の熱処理を2回施して作製した。
熱変性脱灰歯はラットの未萌出下顎第一臼歯を脱灰し、BMGと同じ熱処理を施して作製した。架
橋コラーゲンでは、Nimniらの方法に従い、牛皮膚type I コラーゲンをO.15M NaCl含有0.2%グ
ルタールアルデヒド- O.05Mリン酸緩衝液で2週間架橋して作製した。この後、これらを5週齢
S.D.系ラットの両側腹直筋内に移植し、1,3,5,7,10,14日目に摘出して、左側を光顕用、右側を
電顕用にそれぞれ組織学的処置を施し、光学顕微鏡、および透過型ないし走査型電子顕微鏡を用
いて石灰化物の組織構造を観察した。各々生じた石灰化物の成分分析にはエレクトロンプローブ
X線微小分析を用いた。
その結果、熱変性BMGでは、3日目に出現したAMD様の球状石灰化物がBMG片の辺縁部から中
央部に向かって経時的に数や大きさを増し、相互に融合しながら移植体全体を占めていった。熱
変性脱灰歯でも同様の所見が得られたが、石灰化物は象牙質のエナメル質側から歯髄側に向かっ
て一方向性に数や大きさを増していった。架橋コラーゲンでは、コラーゲン線維束の形状に沿っ
た石灰化物がやはり3日目に出現し、次第に周囲のコラーゲン線維を侵し、移植体の辺縁部から
中央部に向かって移植体全体を占めていくのが観察された。軟骨組織や骨組織の形成はどの移植
体でもみられず、破骨細胞様多核巨細胞による移植体の吸収やこれらの細胞の出現も認められな
かった。石灰化物はいずれも微細な針状結晶の凝集体で、結晶の大きさに多少の差が認められた
ものの、成分分析ではいずれの石灰化物でも同様のカルシウム/リンのモル比を示し、またアパ
タイトの前駆体が次第に相変化していることも示唆された。
本研究の結果から、AMDはBMGの移植後に骨組織形成に先行した形で生じるだけでなく、熱変
性BMG、熱変性脱灰歯、あるいは架橋コラーゲンの移植後にも生じることが明らかとなるととも
に、AMDはBMPを含む非コラーゲン性蛋白とは無関係で、むしろ移植体の基質の架橋コラーゲン
に依存して物理化学的に生じている可能性が示唆された。また、熱変性脱灰歯でのAMDと象牙質
の石灰化時に生じる象牙小球との形態的類似性より推測すると、AMDが生体内での石灰化現象に
何らかの形で関わっている可能性も考えられた。
Remark
画像データは国立国会図書館から提供(2012/3。JPEG2000形式を本学でpdfに変換して公開)
FullText File
language
jpn
MEXT report number
甲第799号
Diploma Number
甲歯第102号
Granted Date
1996-03-26
Degree Name
Doctor of Dental Science
departments
Oral Sciences