ID | 95718 |
Title Transcription | デンリョク ケイトウ ノ デンアツ アンテイカ セイギョ ホウシキ ト アンテイセイ ヒョウカホウ ニ カンスル ケンキュウ
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Author |
前田, 龍己
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Content Type |
Thesis or Dissertation
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Description | 電力系統に発生する不安定現象は、電カの安定輸送を妨げ最悪の場合には大規
模な停電や設備の損壊を引き起こす。このため、系統の安定性に関する技術開発 や研究課題は、大規模停電を防止し電力の供給信頼度を確保すること、さらに需 要の増加に対応して経済的な設備形成をはかり低廉で安定な電力を供給すること 等を目的に系統計画・運用上の中心的課題として位置づけされている。 系統の安定性問題は、2種類に大別される。1つは発電機関の同期運転の安定 性に関するもので、従来より安定度と言えば、この安定性を指していた。 もう1つは、最近、特に注目を集めている電圧安定性問題である。近年の電力 系統は、電源の大容量化と偏在化が進み長距離大容量の基幹送電線が慢性的に重 潮流化する傾向にある。これに負荷側の要因等が加わり世界各国の電力系統で電 圧不安定現象を1原因とする大規模停電が発生した。我が国では、1987年夏、 基幹系統の母線電圧がゆっくりと低下し電圧が崩壊した。これを契機に電圧安定 性問題に関し進行速度の遅い現象を主対象に研究開発が活発に行われてきている。 一方、最近、系統の大外乱後に秒オーダーで急速に電圧崩壊してしていく現象が観 測され、過渡的な電圧安定性が注目されている。この問題についても、貴重な基 礎研究が行われているが、現象の発見が比較的新しいことから電圧の安定化制御 方式や系統の安定性監視方法などにつき精力的な研究開発が要望されている。ま た、今後も電気エネルギーの需要増加が予想されており、新技術の導入等により、 既設電力設備を有効活用し複雑化していく電力系統を安定に運用するための技術 開発の重要性が一段と高まっていくと考られる。 そこで、本研究では過渡電圧安定性問題をメインテーマに、系統の安定運用と 電圧安定性向上の観点から基礎的な研究を行い論文にまとめた。 ・電圧安定性問題 系統の安定性問題について概説し電圧安定性問題の特徴を明らかにすると ともに電圧安定性問題を分類し、過渡電圧安定性問題の位置づけと後述の研 究課題を明確にし、第2章「電圧安定性問題」にまとめた。 ・電力系統の動的電圧安定性に関する基礎実験と考察 電圧安定性を動的な観点からとらえた基礎実験を行い、系統の不平衡状態 や送電線の再開路等、種々の系統条件と負荷特性が電圧安定性に与える影響 を明らかにし、また、系統状態と安定送電限界の検討や負荷特性と電圧不安 定現象の進行速度との関係ならびに故障送電線再閉路時の現象の考察から、 今後の研究に有用な新しい知見を得、第3章「電力系統の動的電圧安定性に 関する基礎実験と考察」に研究結果をまとめた。 ・過渡電圧安定限界と系統電圧の安定化制御方式の検討 系統の電圧安定性向上の観点から、系統の受電端における過渡電圧安定限 界の解析を行い、系統計画・運用に有用な電源電圧と受電端設備の制御方法 を明らかにし、さらに、パワーエレクトロニクス技術の応用により過渡領域 における電圧安定化能力を向上させる電圧安定化制御方式の提案とその有効 性の検討を行い、第4章「過渡電圧安定限界と系統電圧の安定化制御方式の 検討に研究結果をまとめた。 ・ニューラルネットによる過渡電圧安定性評価法 系統運用計画の効率化や系統のオンライン監視への応用の観点から、高速 な過渡電圧安定性評価法の開発として、緊急制御の臨界余裕時間を評価指標 とし、2つの多層形ニュラルネットワークを適用した過渡電圧安定性評価法 を提案し、モデル系統における検討から有効性を明らかにし、その研究結果 を第5章「ニューラノレネットによる過渡電圧安定性評価法」にまとめた。 |
Published Date | 1995-03
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Remark | 画像データは国立国会図書館から提供(2011/9/26。JPEG2000形式を本学でpdfに変換して公開)
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FullText File | |
language |
jpn
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MEXT report number | 甲第771号
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Diploma Number | 甲工第49号
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Granted Date | 1995-03-26
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Degree Name |
Doctor of Engineering
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