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ID 116912
Title Alternative
Clinico-statistical survey for congenital missing of permanent teeth in orthodontic patients
永久歯の先天的欠如に関する臨床統計調査
Author
Ogasawara, Naoko
Ichihara, Aki
Keywords
先天的永久歯欠如
顎顔面骨格形態
統計調査
Content Type
Journal Article
Description
永久歯の先天性欠如(以下,先欠とする)は,最も高頻度に発現する顎顔面領域の先天異常であり,様々な不正咬合を引き起こし,交換期における咬合誘導あるいは,永久歯列期における歯の排列に際して苦慮することが多い.しかし,歯科矯正用アンカースクリューの登場により,治療方針に多様性が生まれ,先欠を有する患者に対して,欠損部位・歯数に影響されない,顎顔面骨格形態に則した治療方針が選択できる症例が増加している.このような症例の治療計画を立案する際には,先欠が顎顔面骨格形態へ与える影響を明らかにしておく必要がある.そこで,今回我々は不正咬合患者における第三大臼歯を除く永久歯の先欠の実態把握,ならびに先欠が顎顔面骨格形態に及ぼす影響の解明を目的として臨床統計学的な検討を行った.
2011年4月から2016年3月までの5年間に不正咬合を主訴として徳島大学病院矯正歯科を受診した患者のうち,口唇裂・口蓋裂やその他の先天異常を有する患者,矯正歯科治療の既往を有する患者および先欠の確認が不可能であった患者を除外した653名(男性233名,女性420名)を対象とし,調査を行った.その結果,以下の所見を得た.
1.先欠を有する患者は96名(14.7%)であり,男女比は1.13:1と男性がやや多かった.1人あたりの先欠歯数としては,1歯のみの欠損が最も多く,49.0%を占めた.
2.歯種別発現頻度は,上下顎ともに第二小臼歯,側切歯の順で高かった.
3.先欠を有する患者を上顎先欠群,下顎先欠群,上下顎先欠群に分類し,比較検討を行ったところ,前歯部被蓋関係については,下顎先欠群においてoverjetが最も大きかった.顎骨の前後的位置関係については,下顎先欠群において∠ANBが大きく,∠SNBが小さくなる傾向を認め,上顎先欠群,上下顎先欠群では∠SNAが小さくなる傾向を認めた.
以上の所見より,先欠が顎顔面骨格の成長・発育に影響を及ぼす可能性が示されたことから,先欠に関連した顎顔面骨格形態の特徴を考慮した治療計画の立案が重要であることが示唆された.
Journal Title
The Journal of Chu-Shikoku Orthodontic Society
ISSN
09157581
NCID
AN1037147X
Publisher
中・四国矯正歯科学会
Volume
30
Issue
1
Start Page
59
End Page
64
Published Date
2018
EDB ID
FullText File
language
jpn
TextVersion
Publisher
departments
Oral Sciences
University Hospital