次世代光人材育成のためのリカレント教育の展開

グローバルが一段と進展する中で，急速なAI，IoT等の技術革新に対する既存の知識技術の陳腐化や高齢化社会の到来に対応して，2018年安倍首相は社会人の学び直し＝リカレント教育を「人づくり革命」として提起し，国を挙げての推進が図られた。折しも，徳島大学と徳島県は2018年より『次世代 "光" 創出，応用による産業振興，若者雇用創出計画』（地方大学・地方産業創成交付金事業）に取り組み，その中で人と地域共創センターではリカレント教育の推進を図ることとなった。筆者は，同センターにおいて，LEDが創る次世代の光を活用できる人材を育成するために，次世代光に係るリカレント教育プログラムを開発すると共に，その広報と実施を総合的に展開する取組を進めてきた。本報告は，次世代光のロールモデルを推進するためのポータルサイトの構築，ポストLEDフォトニクス研究所と連携した「紫外線LED活用講座」の開発ならびに実施，「次世代光講座」や「こども光科学教室」の実施状況をまとめたものである。本事業を実施した結果，LEDが創る次世代光を企業技術者から小学生までの地域の幅広い層がそれぞれに学ぶことで連帯してつながり，地域創生の機運を高めることができた。しかしながら，次世代光の持つ付加価値を地域創生のビジネスチャンスに発展させるためには，このリカレント教育を継続的に発展させる必要がある。また，企業が大学の手を借りて，新しい製品開発や生産ラインの改善に着手できるような具体的な講座内容をプログラム化するとともに，企業経営者や技術者との具体的な交流の場づくりも必要となることが推察される。