ID | 96867 |
Title Transcription | GaNケイ ハッコウ ダイオード ニ カンスル ケンキュウ : シガイ カラ アカイロ リョウイキ デ ハッコウスル InGaN LED ノ サクセイ オヨビ ハッコウ トクセイ
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Author |
向井, 孝志
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Content Type |
Thesis or Dissertation
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Description | 発光ダイオード(LED)は、発光効率、単色性、寿命、等に優れ、幅広く応用されている。しかしな
がら、高い発光効率を有するLEDは赤色LEDのみであった。本研究ではGaN系材料を用いる ことにより、1)従来実現していなかった高発光効率の青色LEDの実現、2)高発光効率緑色LED の実現、3)GaN系LEDにおける発光波長の短波化と長波化、4)GaN系LEDの発光に関する機 構の解明、を目的とした。 ツーフローMOCVD装置を用いて、結晶性の優れたGaN単結晶膜を成長することに成功した。n 型GaN では、Si 及びGe を用いて広範囲にわたりキャリア濃度を制御できることを明らかにした。p 型GaNではMgをドーパントとして用い、高抵抗GaN:Mgを窒素雰囲気中で熱処理することで低抵 抗p型GaNが得られることを明らかにした。発光効率の高いLEDを作成するために、ダブルヘテ ロ構造を用いた。活性層としてInGaN:Zn+Siを用いることにより1mWを超える発光出力を有する 青色LEDを作成することに成功した。 InGaN:Zn+Siを活性層とするLEDの問題点を解決するために、InGaN単一量子井戸(SQW)を 活性層とすることで、1)発光出力アップ[1.5→5mW]、2)狭い発光スペクトル半値幅[70→20nm]、3)高 出力緑色LED[3mW]の実現、ができた。青色SQW・LEDでは、その発光スペクトルの短波長成分 が、InGaN:Zn+Siを活性層とするLEDより少ないためLEDの寿命が長くなることが判った。これは 結晶の劣化よりもエポキシ樹脂の光吸収による劣化の影響が大きいためであることが明らかになっ た。 サファイア基板上に成長したGaN系単結晶膜には高密度の貫通転位が存在している。それにも かかわらず高い発光効率のLEDが得られる理由について検討した。これについて、InGaN活性 層のlnモル分率の揺らぎにより形成されるInリッチ領域に注入キャリアが局在することで、転位が作る 非発光再結合中心にキャリアが捕獲されないためである、と結論付けた。 電流増加により発光スペクトルがブルーシフトする現象について検討した。その原因として1)ピエゾ電 界のスクリーニング、2)Inリッチ領域のバンドフィリング、を考え、Inリッチ領域のバンドフィリングによりブルーシフト していると結論付けた。一般的に周囲温度の上昇によりバンドギャップナローイングが生じ発光スペクトル がレッドシフトする。しかし、Inモル分率の高いInGaN・LEDでは発光波長の温度依存性が見られな い。この原因を検討し、Inモル分率の揺らぎによるlnリッチ領域がバンドテイルを形成し、そのバンドテイ ル部のキャリアが温度上昇により高エネルギー側へ分布を広げることによると結論付けた。 紫外LEDの検討を行い、発光波長371nm、外部量子効率7.5%の紫外LEDを開発した。紫外 LEDでは、1)その活性層のInモル分率が低いこと、2)GaN層による光の自己吸収、により波長が短 くなるにつれ発光効率が低くなることを明らかにした。 長波長LEDの検討では発光出力1.4mWのこはく色LEDを実現した。こはく色InGaN・LEDは AIInGaPのこはく色LEDと比べ、発光出力の周囲温度依存性が優れることを明らかにした。赤色 LEDについて検討し、InGaN層の相分離が起きている可能性があることを示した。 本研究の成果により、青色LED、緑色LED、こはく色LED、紫外LEDが実用化されるに至っ た。 |
Published Date | 2000-03
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Remark | 画像データは国立国会図書館から提供(2011/9/26。JPEG2000形式を本学でpdfに変換して公開)
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FullText File | |
language |
jpn
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MEXT report number | 乙第1745号
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Diploma Number | 乙工第57号
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Granted Date | 2000-05-12
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Degree Name |
Doctor of Engineering
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