ID | 96866 |
タイトルヨミ | デンソウ センロジョウ ノ テイザイハ オ リヨウシタ アブソリュートガタ ヘンイ センサ ニ カンスル ケンキュウ
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著者 |
上保, 徹志
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資料タイプ |
学位論文
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抄録 | 変位センサは、産業機械において必要不可欠の要素である。特に、産業用ロボットなどにおけるサ
ーボシステムの構成要素として広く用いられている。変位センサのコストパフォーマンスも向上して きており、従来ならばリミットスイッチなどで位置検出を行っていたような用途にも変位センサが用 いられるようになり、システムの性能向上につながっている。ただし、そのほとんどはインクリメン タル型変位センサであり、アブソリュート型はその性能、つまり測長範囲や分解能が十分でないこと から、ごく一部の限られた用途でしか利用されていないのが現状である。 しかしながら、インクリメンタル型は、システムの起動後に必ず原点復帰動作が必要なこと、また ノイズなどによってミスカウントした場合、その誤差は累積される上、ミスカウントを起こしたこと 自体を検知することが本質的にできないという欠点があり、本来ならばこのような欠点を本質的に持 たないアブソリュート型変位センサを用いることが望ましいのは明らかである。 本研究は、インクリメンタル型変位センサと同等の性能を持つアブソリュート型変位センサの実現 を目的として、新しい原理に基づくアブソリュート型変位センサを提案するのものである。すなわち、 伝送線路をスケールとし、伝送線路上に発生させた定在波を利用して絶対変位を得るものであり、性 能的にはインクリメンタル型の中でも最も普及していると考えられるものと同等、具体的には、数m のスケール長で1ppmの分解能の実現を目標とした。 本論文では、まず、提案センサの基本構成と測定原理を示した。本センサは、高周波信号源で駆動 された短絡部分を持つ伝送線路において、短絡位置から1/2波長の位置が定在波の節となる現象を利用 しており、その節を検出することによって絶対変位を得るものである。より高い分解能を得るには節 の検出を高精度で行う必要があり、そのために周波数変調、及び周期検波を利用した新たな節の検出 方法を提案した。これにより、約4mで10ppm程度の分解能が得られることを実験により確認した。 次に、本センサの分解能をさらに向上させる方法を検討した。本センサの分解能は、実質、システ ムのノイズにより決まるため、節の検出感度を上げるか、もしくはノイズそのものを低減することに よって分解能の向上が期待できることから、まず原理的に節の検出感度を上げる方法を示し、その効 果を実験で確認した。次に、システムのノイズの主な要因が伝送線路を駆動している高周波信号源の 周波数ジッタであるととを実験的に明らかにし、そのジッタを低減させることにより、実際に分解能 が改善されることを示した。最終的に、4mで1ppmの分解能が得られることが実験で確認され、目標 性能を達成することができた。 |
発行日 | 2001-03
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備考 | 画像データは国立国会図書館から提供(2011/9/26。JPEG2000形式を本学でpdfに変換して公開)
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フルテキストファイル | |
言語 |
jpn
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文科省報告番号 | 甲第1206号
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学位記番号 | 甲工第200号
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学位授与年月日 | 2001-03-26
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学位名 |
博士(工学)
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