ID | 85981 |
タイトルヨミ | ATR シンゴウ ノ シュンジテキ カンソク ソウチ ノ カイハツ ト キンゾクマク ノ コウガク テイスウ
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著者 |
奥野, 雄太郎
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資料タイプ |
学位論文
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抄録 | 金属薄膜は、電子・光学デバイス分野でLSI等の電極・配線材料、MOSデバイス、光
導波路等に広く用いられている。デバイスの集積化・薄膜化に伴い金属薄膜の表面や界面で 起こる現象が非常に重要となる。これらの情報を得ることが今後のデバイス開発には必要不 可欠であり、様々な研究グループにより、金属薄膜の物性に関する理論的・実験的研究が為 されている。 金属薄膜の表面・界面の物性を手軽に探る手段の一つとして、光と表面素励起が結合した モードである表面ポラリ卜ン(SP)の励起を伴う全反射減衰(ATR)法がある。SPは 金属の表面・界面の状態に非常に敏感であるため、ATR法を用いて得られる信号(ATR 信号)を解析して求まる金属薄膜の光学定数(膜厚、誘電率)は金属膜の構造や物性に関す る多くの情報を含んでいる。本研究は、ATR法を用いて金属薄膜の光学定数を測定し、金 属薄膜に関する様々な物性の解明を行うことを目的としている。 金属薄膜の成長過程や経時変化などの動的過程の物性を探るためには、ATR信号を瞬時 に、真空中で、その場で観測する必要があるn。本研究室では、この動的過程でのATR信号 を瞬時に観測できる装置(I-ATR装置)を開発し、これまでに重要な結果を得ている。 この装置には、1)超高真空下での測定が行えない。2)物質の温度依存症を確定できない。 3)蒸着物質は1種類に限られる。という欠点があった。そこで本研究では、これらの欠点 を克服する新しいATR信号の瞬時的観測装置の開発を行い、これに成功した。この装置の 最高真空到達度は1.2×10 dPaであり基板温度は80Kから1000Kまで変えることが可能である。 さらに、蒸着源を3基備えており真空を破らずに最高3種類の物質を蒸着できる。 従来のI-ATR装置と新しく開発した超高真空のI-ATR装置を用いて金属薄膜の光 学定数に与える表面凹凸、残留ガス、基板温度の影響を測定し、 1) フッ化物蒸着膜が持つ大きな表面凹凸上に銀膜を成長させた場合、膜が不連続 膜から連続膜へと移行する膜厚(臨界膜厚)が表面凹凸の凹凸振幅に比例して厚 くなる。これは、表面凹凸の谷を埋めるまで膜が連続にならないためと考えられ る。 2) A1薄膜に与える残留ガスの影響を調べた結果、A1膜は、10 4Pa以上の真空 圧力では蒸着中に既に酸化され、10 5から10 6Paでは蒸着後徐々に表面の酸化が 起こる。酸化の影響を受けないためにはlO-7Pa以下の超高真空が必要であ る。 3) 低温基板上に金属を蒸着した場合、基板上での蒸着原子の表面運動が妨げるた め、多くの欠陥を含む膜が形成され、又、臨界膜厚も厚くなる。これらの欠陥は アニーリンクにより消滅する。 ということが明らかとなった。 金属の表面の電子状態は、単純に平坦なものではなく、その電子密度はバルク値から徐々 にゼロとなっている。この電子のしみ出し部分はセルベージと呼ばれている。このセルベー ジ部分に励起される多重局表面ポラリトン(MSP)の存在が知られているものの未だにこ れを直接観測した例はない。そこで、本研究では、このMSPの励起・観測装置の開発を行っ た。 |
発行日 | 1994-03
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備考 | 画像データは国立国会図書館から提供(2011/9/26。JPEG2000形式を本学でpdfに変換して公開)
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フルテキストファイル | |
言語 |
jpn
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文科省報告番号 | 甲第677号
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学位記番号 | 甲工第1号
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学位授与年月日 | 1994-03-26
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学位名 |
博士(工学)
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