ID | 115852 |
タイトル別表記 | Three years follow up of bimaxillary group distalization with miniscrew anchorage
アンカースクリューを用いた上下顎前突治療例の長期保定
|
著者 |
天知, 良太
徳島大学
|
キーワード | 歯科矯正用アンカースクリュー
上下顎前突
保定
|
資料タイプ |
学術雑誌論文
|
抄録 | 今回,我々は歯科矯正用アンカースクリューを用いて上下顎歯列全体の遠心移動を行うことで前歯部叢生および上下顎前歯の唇側傾斜を改善し,保定後3年経過時においても安定した咬合関係が維持された症例を経験したので報告する.患者は初診時年齢21歳7か月の女性で,上顎前突および叢生を主訴として来院した.側貌はconvex typeであり,上下口唇の突出と上下顎前歯部に軽度の叢生が認められた.大臼歯関係は両側Angle II級であり,オーバージェットは +3.0 mm,オーバーバイトは +1.4 mmであった.側面頭部エックス線規格写真より,∠ANBは5.1°とやや大きくskeletal Class IIを呈し,FMAは34.2°とhigh mandibular plane angle caseであった.歯系では,上顎中切歯歯軸傾斜角は標準的な値を示したが,下顎中切歯歯軸傾斜角は唇側傾斜を呈していた.U1 to NA は8.2 mm,L1 to NBは13.0 mmであり,上下顎中切歯はともに唇側に位置していた.治療方針として,上下顎前歯部の叢生および上下顎前歯唇側傾斜の解消のために,小臼歯抜去ではなく上下顎両側大臼歯部に歯科矯正用アンカースクリューを埋入し,上下顎歯列全体の遠心移動を行うこととした.2年9か月の動的治療の結果,前歯部叢生および口元の突出感は解消され,緊密な咬合が獲得された.保定後3年が経過した現在においても安定した咬合関係が保たれている.本症例より,歯科矯正用アンカースクリューを用いた上下顎歯列全体の遠心移動を行っても,長期間の安定が得られうることが示された.
|
掲載誌名 |
中・四国矯正歯科学会雑誌
|
ISSN | 09157581
|
cat書誌ID | AN1037147X
|
出版者 | 中・四国矯正歯科学会
|
巻 | 29
|
号 | 1
|
開始ページ | 37
|
終了ページ | 47
|
発行日 | 2017
|
EDB ID | |
フルテキストファイル | |
言語 |
jpn
|
著者版フラグ |
出版社版
|
部局 |
歯学系
病院
|