アパレル貿易の近年の動向

本研究は、日本のアパレル産業の市場構造の変化、およびそれに影響を与えている諸外国からのアパレル輸入の状況をデータに基づいて明らかにするとともに、チャイナ・プラスワンの動向を検証することを目的としている。分析の結果、20世紀の世界の工場として大きく発展した中国に対し、日本の産業の空洞化が改めて浮き彫りとなった一方で、アパレル小売企業の販売額における若干の改善傾向がみられたことが明らかにされた。また、チャイナ・プラスワンについてデータに基づいて検証を試みたところ、依然として中国の影響力は大きいものの、バングラデシュ、カンボジア、ベトナムが徐々に台頭しつつあり、今後の成長が大きく期待されることが明らかにされた。